感想
一言で言えば素晴らしい本だった。
読み方によって感想は変わってくるとは思うが、脳科学の学者さんが書いている事はごく自然なこと・当たり前のことが書かれている。
自分の頭のモヤモヤしたりストレスを感じたり、何かがうまくいっていることを感じている自分にとってはとてもタイムリーな本になった。
しばらく苫米地英人氏の著作を何冊か読んでみるつもりである。
いつの間にか支配されている自分以外のものから与えられた価値観を捨てること。
自分のモノサシ価値観で生きていくことがこれからの時代というか今までもずっとなんだが大切な事。
理性を使い、感性を活かしていく。こんな生き方のヒントにしていきたい。
要約
現代人の抱える問題の多くは頭の中のモヤモヤが原因となっている場合が多い。
本書では頭のモヤモヤを無くし、それぞれの人が全力を発揮することでより素晴らしい未来を実現することが出来るとしています。
現代人の頭のモヤモヤの原因となっているものには以下のものがあります。
- 抽象度が低いことによる感情のゆらぎ
イライラしたり誰かに対して怒りを覚えたりする事は抽象度が低いことにより起こる。
抽象度に関しては別で説明するとして、抽象度が低いと感情に思いきり支配されてしまう。
抽象度を上げ自分のゴールとは関係ないものはゴミとして捨てるべきなのです。 - 他人のモノサシで自分を作っていることによる不和
まず「自分」を定義する際には「他社との関係」でしか定義が出来ないという事を念頭に置く必要があります。
その為自分が欲しいと思っているものや理想像すら他人のモノサシにより表されている事が殆どであり、その為何を手に入れたとしても満足する事はありません。 - 「仮想の自分」と「過去の自分」
私達が見ている世界は今あるそのものを見ているのではなく、過去の記憶により成り立っています。
これは脳の仕組によりそのようになっています。
過去にああしていたらという「仮想の自分」そして勝手に今の自分を作っていると思い込んでいる「過去の自分」これらを丸ごと捨てることが重要です。
未来ベースの時間観に立ち、ホメオスタシスを利用することで自分を新しくつくりかえることは可能です。 - マイナスの自己イメージ
この世界は言語で出来ています。
法律も経済もすべて言語で出来ており、その言語で出来たものの上で毎日私達は生活をしています。
頭のモヤモヤも言語で出来ていると言っても良いですし、多くの人の自己イメージはマイナスの為毎日マイナスの言語を自分に対して投げかけているのです。
ポジティブな自己対話を行う事こそ重要なことなのです。 - 我慢
やりたくないことを我慢してやっている。
「want to」ではなく「have to」ばかりで生きているから頭の中がモヤモヤする。
やらされ間で仕事をし続けると自己尊重を傷つけ潜在能力を大きく低下させてしまいます。
無意識に自分がたいしたことない人間だと刷り込まれ自己評価を損なってしまいます。
これら頭のモヤモヤを生み出しているゴミを捨てることが大切ですが、「捨てねばならない」と意識して努力しているうちは本当に捨てる事は出来ません。
そしてその具体的な方法が次のようになります。
①まずはゴールを設定する事。
「将来こうありたい」というゴールを設定し、そのゴールに向かい自己イメージを変えるのであれば「やらねばならない」はスコトーマに隠れ、見えるものが全て「したいこと」に変わります。
そしてゴール設定は「自分中心」で設定する事はゴリラの幸せと変わりません。
他人の喜びを感じる事が人間である事の特徴です。
つまり「他人の喜び」を含めたゴール設定こそが人間らしいゴール設定となります。
※やりたいことを見つける近道
やりたいことが分からない理由は「自分中心」だからです。
人間の幸福は自分だけのものではありません。
「自分んが何をすれば他人が喜ぶだろう?」といく視点で考えるのが「やりたいこと」を見つける近道です。
②設定したゴールに向かい臨場感を高める。
高い臨場感で新しいコンフォートゾーンをイメージ
↓
ホメオスタシスが変化
↓
現状のコンフォートゾーンが変わり、新しいコンフォートゾーンが選ばれる
↓
スコトーマが外れる
このサイクルを回していく。
臨場感を高めれば応援していくれる人が増える。
③ゴールに向かう「恐怖」
「失敗したらどうしよう」そんなものはゴミでしかない。捨ててしまおう。
不安と恐怖が現状に人を縛り付け、可能性を殺すのです。
世の中にはありもしない恐怖があたかもあるかの如く喧伝されます。
しかし理性的に考えればそんなものは存在していません。
その恐怖は誰かが自分を有利なものにしようと仕掛けた罠に過ぎないのです。
その罠にかかることなく恐怖というゴミを捨ててしまいましょう。
怖がっている暇があったら行動するこです。
④「論理」への囚われを捨てる
現実の事象は順番に直線的になど展開しません。
様々な要素が複合的に絡み合い展開しているのにそれを論理的に順を追って整理しようとしても無理です。
全体が分かる事で部分が分かるのです。
またその逆もしかり天才は部分だけで全体を理解します。
これはゲシュタルト能力を高めていると起こる事であり、頭の良い人の閃きが生まれる秘訣です。
ゲシュタルトの拡張には抽象度を上げて知識を増やすことが必要です。
それにより現実世界から離れた世界のゴールを達成することができるのです。