未来は描けばやってくる ただし人は描くのが苦手

以前、ある経営者の方にこんな言葉をいただいた。
「目標は描いた段階で決まります。あとは必要なものを持ってくるだけ。」

その方が仰っていることをまとめると、
・お正月に目標を決めたのではダメ
・秋の時期を使ってゆっくり丁寧に来年を描く

実際にその経営者の方が描いた未来はこれまで必ず実現してきました。
僕はそれを実際に目の当たりにしてきたわけですが、さて自分もでは同じようにやってみようと決意し、実際にやってみたところ…あれ?

あのー絵を描くって難しくないですか?
理想の未来を描く時によく言われる「SMART」や「ビジュアライゼーション」や「アファメーション」。
読んで納得してなんとなくふむふむってなるんだけど、実際やってみたら分かるけど、これが結構難しい。

基本的に毎日そこそこに樂しく過ごせていることもあり、理想の未来を心から欲しいと願うわけではない僕は仮に目標を描けたとしてもなんだかピンとくるものがないわけで。

絵が描けないから当然理想の未来なんて来ない。
でもなんとなく今のままではダメだと思っている。
どうしたものかと考え、まずはなぜ絵が描けないのかということを調べてみました。

なぜ「未来を描く」のが難しいのか?

知ってます?「SMART」
目標設定でよく言われるじゃないですか。

Specific(具体的)
Measurable(測定可能)
Achievable(達成可能)
Relevant(関連性)
Time-bound(期限設定)

この頭文字を取ってるわけですが、どの項目も読んでると「なるほど」と声が出てしまうほど納得はいく話ではあるんです。

ただ実際にやってみるところでこんな事を思ってしまう。

「で、具体的にどう描けばいいの?」

この理論って、目標設定の“チェックリスト”みたいなもので、描き方までは教えてくれないんです。

しかも、頑張ってSMARTな目標を設定できたとしても、それが本当に自分が心から「欲しい!」と思える未来と繋がっているかどうかはまるで別。

目標達成までの道のりや、成功した時の感情、周りの環境の変化…
いや空想癖のあった小学生の頃ならそんなこともできるのですが、おじさんにはどうも難しい。

もっと具体的で、詳細なイメージを描かないと、描いた未来は絵に描いた餅のまま。
宝の地図は手に入れたけど、肝心の宝はどこにあるのか分からないみたいな。

モチベーションが必ずしも必要とは思わないのですが、なりたい自分がなければそちらを目指す事もできません。

なんだ脳の仕組みが想像力のジャマしてたわけか

でもこれじゃあ一向にことは進まないので、自分で色々と調べてみることに。
具体的にはもともと好きだった「行動経済学」や「脳科学」の本を読んでみることに。

すると、目標設定ができたとしても、未来を描くのが難しいのには、実はもっと深い理由があることが判明。

それは私たちの脳の仕組みが、未来への想像力をジャマしているということでした。

  • 現状維持バイアス:居心地のいい現状から抜け出せない!
    これは分かるでしょう。
    人間は変化を嫌う生き物。
    今がそこそこ幸せなら、わざわざ大変な思いをして未来を変えようとは思わない。

    これは原始時代に端を発するみたいで、常に危険と隣り合わせの人間がそれを避けるために備わっているとのこと。

    ・新しい食べ物食べたら毒だった
    ・知らない場所にいったらめっちゃ怖い動物に襲われた
    ・なれない道具を使ったら怪我した

    こういうリスクを避けるために安全だる今を維持するために備わっているんだそうです。
    変化によって得られるメリット<変化によって被るでリスク
    この図式が基本に置かれているわけですね。

    ただし、原始時代とは比較にならないぐらい変化が目まぐるしい現代にあって、これはどうしても自分を生きづらくさせるものになってしまうわけで。

    原始時代とは比較にならないぐらい安全な世の中では、逆に変化を次々としていかなくてはなりません。

  • ワーキングメモリの限界:あれもこれも考えすぎてパンク寸前!
    未来を想像するには、ワーキングメモリという脳内メモ帳が必要です。
    が、これがまた容量が少ない!

    あれもしたい、これもしたい…と欲張って未来を想像しようとすると、パンクしちゃいます。
    もういいやってなってしまうわけです。

  • デフォルト・モード・ネットワークの罠:ぼーっとしてたら未来は描けない!
    何もしていない時に活発になる「デフォルト・モード・ネットワーク」。
    これは過去の記憶や未来の空想を担う脳の領域ですが、未来の計画的な思考とは少し違います。
    むしろ、ぼーっとしている時にこのネットワークが活発化すると、目の前のタスクへの集中力が低下…つまり、ソファでダラダラしながら未来を描こうとしても、結局何も進まないわけです。

行動経済学でも理由は説明できる

脳の構造以外にも、未来を描くことを邪魔する心理的な要因があります。行動経済学の分野では、人間の非合理的な行動を様々な理論で説明しています。

  • 時間割引:目先の誘惑に勝てない!
    「ダイエットは明日から」「資格勉強は来週から」…
    ついつい先延ばしにしてしまうのは、「時間割引」のせい。

    未来の利益よりも、目先の喜びを優先してしまう傾向のことです。
    目の前のケーキと来年の健康診断、どっちを取りますか?
    と聞かれたら…まあ、ケーキですよね。

  • 損失回避:「失敗したらどうしよう…」が未来を閉ざす!
    人は「何かを得る喜び」よりも「何かを失う悲しみ」を強く感じます。
    目標達成には失敗のリスクがつきものですが、「失敗したらどうしよう…」という気持ちが強すぎると、挑戦すること自体を避けてしまい、未来を描くことからも逃げてしまうのです。

ひとまずのまとめ

とにかく僕らの脳の仕組みや心理的影響が未来を描くことを邪魔していることは分かった。

ただ僕はどうしても未来を描ける自分になりたいわけで、そうなるとやっぱり何かしら対策を立ててそれに取り組む必要がある。

そのためにどう行動をすればよいのか?次回へ続く。

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